「負動産」を相続した場合

「負動産」を相続した場合
親が所有する不動産を相続する予定がある方もいらっしゃるかと思います。
しかし、相続した土地や建物が必ずしもスムーズに売却できるとは限りませんのでご注意ください。
相続した不動産が「負動産」となってしまえば、売りたくても売れず、費用や手間などの負担だけがかかるといった事態も考えられます。
相続する際に注意したい「負動産」とは
「負動産」とは、売りたくてもなかなか買主が見つからず、保有しているだけで費用ばかりがかかる不動産のことです。「負動産」の例としては、以下のようなものがあります。
◆リゾート地の別荘
バブル時代に資産として購入したリゾート地の別荘の価値は、現在では大幅に下がってしまっています。
リゾート地の別荘の多くは不便な場所にあるため、売ろうとしても買主が見つからず、そのうえ、保有している限り固定資産税を支払い続けなければいけません。
◆郊外にある住宅や農地
郊外にある住宅や農地も人口減少による後継者不足などの理由で、利用者が減っているのが現状です。
売却を検討したとしても買主が現れず、放置されてしまう「空き家問題」は、日本の大きな社会問題となっています。
固定資産税を支払う必要がある
不動産を使っていなくても所有していれば、毎年固定資産税を支払わなければいけません。そのため、収益を生み出さない「負動産」を所有してしまうと、費用ばかりがかかってしまいます。
郊外にある住宅や農地の固定資産税評価額は低いですが、所有する面積が広ければ、税金の負担額も大きくなってしまいます。
管理の手間がかかる
土地や建物を放置してしまうと景観や衛生環境を悪化させてしまい、周りの住民の方に迷惑をかけてしまうこととなります。
そのため、掃除や草むしり、部屋の換気などの維持管理を定期的におこなわなければいけません。
ご自身が別の場所に拠点をお持ちの場合、維持管理をするためだけに現地に向かう必要がありますので、大きな負担となってしまうでしょう。
 
相続した負動産を処分する方法
◆売却
もっとも手っ取り早い処分方法は、売却です。
ただし、負動産の需要は著しく低いため、通常の不動産売却のようにスムーズに売却できる可能性は低いということを認識しておきましょう。
◆買取
すぐにでも処分したいとお考えであれば、不動産会社による「買取」を検討するのも1つの方法です。
不動産の買取とは、不動産会社が買主となり取引をおこなう売却方法のことをいいます。
一般的に、不動産の売却には3か月から半年程度の期間がかかるとされていますが、不動産の買取では3週間から1か月程度で不動産を処分することが可能です。
◆空き家バンクを利用する
空き家が年々増加しているという背景もあり、自治体のなかには「空き家バンク」を運営している自治体も存在します。わが香川県も空き家が年々増えて社会問題化していますね。
空き家バンクとは、空き家を買いたい方と売りたい方をマッチングさせるサービスです。
弊社でも登録のお世話をしていますよ。もちろん無料です。ただし、空き家バンクを利用したからといってすぐに売却できるとは限らないためご注意ください。
自治体へ寄附する
◆市や町にあげる(寄付する)
とにかく負動産を処分したいのであれば、市や町など自治体への寄附を検討してみると良いでしょう。
売却代金のようなお金を手に入れることはできませんが、固定資産税の支払いや維持管理の手間からは解放されます。また、民間の企業や個人ではなく、自治体に所有する不動産譲り渡せば、贈与税も課税されません。
ただし、時期や不動産によっては寄附を拒否される場合もありますので、寄附できるかどうかについても含めて、自治体に確認すると良いでしょう。
 
2023.02.01

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